離婚したいとき,離婚したいと言われたときに読んで下さい
離婚のときの子供の問題を書いています
離婚のときの金銭問題(財産分与と慰謝料)について書いています
離婚事件の弁護士費用その他の問題を書いています
政府が発表している統計によると夫婦の3組に1組は離婚していることになります。私は自分で政府発表の統計を調べて確認しましたが本当に一年間の離婚数は婚姻数の約3分の1でした。離婚までの年数はいろいろですが日本ではもう離婚は珍しいことではありません。離婚に関する色々な法律問題を整理しました。 ここに書いてあることは離婚の一般論で、誰にでも当てはまるわけではありません。必ず弁護士の法律相談を受けてください。法律相談お申し込みをお待ちしています。
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離婚するということは別居して新しい家を探したり、あらゆる家事(育児)を自分一人ですることになったり、生活費を自分だけの収入でまかなうことになるなど、生活が根本的に変わります。人間は何かを変えるということには臆病なものです。今までの生活を変えることには不安が伴います。それまでがそんなに楽しい生活ではなかったとしても、昨日と同じ生活を続けることは予想がつくので楽ですが、新しい世界に飛び込むには勇気がいるのです。しかし、そういう悩みの中にいると自分の本当の気持ちも良く分からなかったり、毎日、生活するだけでも大変で別のこと考えられなくもなります。両親や友人に愚痴を言うのも心の安定のために大切ですが、早めに専門家の法律相談を受けて自分のことを話した方が落ち着きます。第三者に話すことで自分の生活の問題点が見えてくることもあります。問題点が整理され自分がすべきことが分かります。離婚について決心するきっかけになることもあります。もう少し結婚生活を続けてみようかと思うこともあります。離婚しようかと考えたらすぐに弁護士の法律相談を受けることをお勧めします。また,あなたが夫婦関係についてそう感じたということは反対に配偶者の方が何年も前からあなたと離婚するための準備をしている場合もあります。そうすると対応は早めにする必要があります。
離婚の話になっている夫婦では話し合っても喧嘩になるだけという場合が多く、そうなると、話合いではなく、ののしり合いとなるだけで、かえって仲が悪くなるだけです。離婚について二人で徹底的に喧嘩するよりは弁護士に依頼し、弁護士を通して冷静に離婚の話合いをした方がいいでしょう。離婚問題は場合によっては刑事事件になったり自殺ということにもつながるので早めに弁護士に依頼した方がいいです。
また、私の事務所に離婚の法律相談に来られても、離婚事件を依頼するには至らず、当事者どうしの話合いで解決している方も数多くいらっしゃいます。お気軽に離婚法律相談を受けて下さい。
A 協議離婚は夫婦が離婚を合意すればいつでも離婚できます(民法第763条)。調停離婚も夫婦の合意で離婚するものですから離婚原因は問題になりません。 しかし,相手の意に反して離婚する裁判離婚の場合は,次の4つの場合に離婚することができます(民法第770条)。
Q 不貞行為で離婚するにはどうしたらいいですか
A 配偶者が不貞行為をした証拠を取得することが必要です。たとえば調査会社が作った調査報告書は最も強力な証拠です。不貞をしている本人が撮影した行為中の写真や動画が手に入る場合もあります。配偶者と不貞相手間のラインやメール履歴も証拠の一つになります。不貞行為を認めた発言の録音も証拠になります。
A 正当な理由なく同居や扶助の義務を果たさないことをいいます。しかし、婚姻関係が破綻した後に家を出て行っても悪意の遺棄にはなりません。その別居は婚姻関係が破綻した結果にすぎないことになります。悪意の遺棄を理由として離婚を求める様な場合は相手も離婚の意思がある場合が多いので問題にはなりにくいです。そこで「悪意の遺棄」を理由にするよりは「婚姻関係の破綻」を中心に主張していくことが多いです。
A 第二次大戦後の未帰還者に対して認められた例はあるようです。現在も法律の条文上残っているので可能です。
A 婚姻関係が破綻し回復の見込みがない場合です。離婚裁判で最も多く争われます。婚姻関係が破綻しているかどうかの判断では婚姻生活全体の事情が考慮されます。具体的には、別居期間の長さ、暴力の有無・程度・頻度、暴言・脅迫・侮辱等の有無・程度・頻度、婚姻継続の意思、双方の行為や態度、性格の不一致、健康状態、結婚期間、子の有無・年齢等の全てです。ケースバイケースなので一般論では説明できず個別に相談を受けないと判断はしがたいところです。
A 何年間別居したら離婚できるという基準はありません。別居に至るまでの事情と別居中の双方の関係も影響します。別居に至った原因が重大なことであったり長期間続いたことであればその後の別居期間は短くても離婚になりますし、そうでなければ別居期間が長い方が離婚に進みやすくなります。結婚期間が短いと離婚は認められやすい傾向があります。なお勤務の都合による単身赴任はここで言う別居とは違います。
A これは有責配偶者からの離婚請求の問題として、不貞した者からの離婚請求は認められないのが原則です。ただし永久に認められないわけではありません。次の要件を満たした場合には離婚が認められることがあります。離婚が認められる要件とは、夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及ぶこと、夫婦間に未成熟の子が存在しないこと、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態におかれる等離婚を許容することが著しく社会正義に反すると言える特段の事情が認められないことの3点です(昭和62年9月2日最高裁判決)。これは個別的な事情ですのでケースバイケースの判断になります。
A 離婚手続きには次の4種類があります(分類の仕方によっては数が異なります)。
A 調停をしていて調停離婚という合意までは出来ないけれど、審判官が相当と認めるときに調停に代わる審判によって離婚と条件を決めることができるというものです。ただし、当事者から異議を出されるとその審判の効力がなくなり無駄になってしまいますので、当事者双方が離婚には同意していて、条件についても話合いが進んでおり後は裁判所に決めて欲しいという様な状況でないと審判離婚はしずらいです。審判離婚に対して異議を出されたときは裁判で決めることになります。
A 離婚はいきなり裁判することはできず、まず調停を申し立てる必要があります(家事事件手続法257条)。これを調停前置主義といいます。家庭の問題はいきなり裁判をするのではなくまずは話合いをしてみなさいという趣旨です。
A 離婚調停が申し立てられると家庭裁判所はその離婚事件を担当する部に配点します。担当部では担当する調停委員を決め、調停委員の予定も聞いたうえで第一回調停期日を決めます。その後、調停を申し立てられた相手方に調停の呼出し状が郵送されます。第一回の調停期日に申立人と相手方の都合も聞いて二回目の調停期日を決めますからそれ以後は呼出し状は送られません。
A 待合室までは誰でも入れますから友人も一緒に行くことはできます。しかし、調停を実際に行う部屋には本人と代理人弁護士以外は入ることができないのが普通です。
A 調停の時間はその家庭裁判所によっても違いますが一般的には、午前中は午前10時から12時までの二時間、午後は1時15分から二時間、時には午後3時から一時間半程度調停をする場合もあります。申立人と相手方が各30分ずつ調停室に入って調停委員と話をしていき、交代します。
A 調停では原則として申立人と相手方は別々に調停室に入り調停委員と話をします。ただし、調停手続きの説明をする第一回調停と調停が最後に終了するときは、申立人と相手方が同席して行う場合があります。しかし、どうしても顔を合わせたくないときはそう言えば別々にしてくれます。申立人と相手方は待合室も別々に用意されています。
A 社会経験を積んだ人が男女一名ずつ、それに家事調停官(裁判官等)が加わった3人が調停委員会を作ります。ただし家事調停官は複数の他の調停委員会と兼任していますので通常はそれ以外の2名の調停員で調停を進めていきます。
A 調停は不調(合意する見込みがない)として終了します。不調と書かれた調停調書を使用して離婚裁判を提起します。調停は本人でも可能ですが裁判は弁護士に依頼することを勧めます。
A 調停は本人が申し立てて進めることも可能です。調停を弁護士に依頼した場合のメリットは、調停申立やその進め方を専門家に任せることができる、どの程度の条件なら合意した方がいいか、調停案を拒否して裁判にした方がいいかどうか専門家の意見を聞くことができるなどです。離婚は一生にかかわる重要な問題ですから専門家の手を借りることをお勧めします。
A 原告が訴状を裁判所に提出します。令和8年5月には訴状を電子的に提出する手続きが始まります。訴状審査が終わると第一回弁論期日が決まり、被告に対して訴状や呼出し状等が配達されます。第一回弁論は普通の法廷で開催されることが多いです。指定された期日に指定された法廷に行き、事件番号や名前を呼ばれて裁判が始まります。最初の数回の裁判期日は弁論準備手続きとして進められますがWebで進めていくことが多くなりました。原告と被告の双方が、主張や反論をお互いに繰り返し、書面の証拠を出し合うことで進みます。原告被告双方の主張や書証が出し終わると、人証(原告尋問、被告尋問、証人尋問のこと)の調べをして、判決となります。訴状や準備書面の起案も素人では無理ですし、尋問はなお無理です。弁護士に任せてください。なお、判決になる前に話合いによる解決(和解)を試みるのが通常です。
A 離婚事件の管轄裁判所は、当事者である夫または妻の住所地を管轄する家庭裁判所です。「住所地」と本籍地とは違いますし、住民票のある場所と一致するとも限りません。たとえば、夫が川崎市内、妻が横浜市内に住んでいるとすると、横浜家庭裁判所川崎支部か、横浜家庭裁判所の本庁が離婚裁判の管轄裁判所になります(人事訴訟法4条、民事訴訟法4条)。
A 出来ません。離婚訴訟では、「合意管轄」は認められていませんので出来ません。同じ離婚であっても「調停」と「訴訟(裁判)」では扱いが違うのです。
ただし、離婚調停については、当事者が合意で定める家庭裁判所に申し立てることが認められています(家事事件手続法245条)。そして、調停に引き続き離婚訴訟を提起する場合には、一定の場合に「自庁処理」が可能なので、実質的に合意管轄に近い結果を得る事も不可能ではありません。しかし、必ず「自庁処理」されるわけではなく、調停の経過、当事者の意見、審理の適正・迅速などから特に必要があると認められる場合にのみ「自庁処理」とされるので注意が必要です。
A いいえ。調停と裁判は全く別の手続きですので、調停で出した証拠も、離婚の裁判で新たに証拠として提出する必要があります。
A 夫婦としての実体はあるけれども婚姻届けを出していない男女の関係を「内縁」といいます。現在では、判例上、内縁の夫婦にも、「準婚姻関係」として、できるだけ夫婦関係に関する法律を適用するようになっています。ですから、内縁関係を不当に破棄すると損害賠償責任が発生します。別れるときは財産分与も考えられます。ただし、夫が亡くなっても相続権は発生しません。
A 子供を夫婦の争いに巻き込まないようにしましょう。子供は両親のどちらも大好きで両親が仲良くしてくれることを望んでいるものです。配偶者に対する不満やグチを子供に言うことは、子供にとっては親の悪口を言われることになります。子供はどちらの親も好きなのですから、悪口を言っている目の前の親の味方をすべきか、目の前にいない親を擁護すべきなのか、それを悩む立場にしては可哀相です。端的に、「お父さんとお母さんは喧嘩しているので別々に暮らすことになったけど、お父さんもお母さんも、あなたのことは大好きよ」というように説明するのが良いようです。つまり喧嘩の原因は言わないが真実は伝えるということです。
離婚した場合、女性は無職だったりパートタイムの仕事しかしていない場合が多いので、すぐに生活費に困ります。そこで、離婚後に利用できる色々な公的制度を積極的に利用していきましょう。 これには国の制度のほか自治体独自の制度もあり、また度々改正されますので、住んでいる自治体で確認することが重要です。一般的には次の様な制度がよく利用されているようです。
児童手当法という法律に基づいた国の制度で、中学校修了までの国内に住所を有する児童が対象です (15歳に到達後の最初の年度末まで)。監護生計要件を満たす父母等が受給できます。実施主体は市区町村ですので、地元の各自治体で詳しく聞いてください。
A 児童扶養手当法に基づく国の制度で、父母の離婚などで、父又は母と生計を同じくしていない子ど もが育成される家庭(ひとり親家庭)の生活の安定と自立の促 進に寄与し、子どもの福祉の増進を図ることを目的として、支給される手当です。母子家庭だけでなく父子家庭にも支給されます。次に該当する場合は支給を受けることが可能です。詳しくは市区町村に問い合わせてください。
別居や離婚後、本当に経済的に困ったら生活保護も考える他ありません。
児童育成手当というのは国の制度ではなく東京都の制度です。しかし東京都以外の自治体でも、名称は異なっても母子家庭等を経済的に援助する制度(医療費の助成制度、母子・寡婦福祉資金貸付金、交通機関の無料パス、その他)を用意している自治体もありますので、まずは市区町村に問い合わせてみましょう。国民年金も納付が困難なときは免除制度もありますので、日本年金機構に相談してみましょう。
最高裁は令和3年10月28日に、申立人が財産分与を請求した審判手続きで、反対に申立人の方が相手方に財産分与を払えという審判を出すことができることを認めました。ただし、一つ条件があって相手方がその審判において自分の方が財産分与を受けるべきなので申立人に対して給付を求める旨を主張していることが必要です。ただ、実際はそういう場合は既に相手方から財産分与請求をされていることが多いだろうと思います。
同性愛者との性的行為について慰謝料請求が認められた例
判例時報2516号 東京地裁令和3年2月16日判決
妻が別の女性と性的行為をしたので夫が不貞相手となった女性に対して慰謝料を請求しました。
裁判所は
「不貞行為とは、端的には配偶者以外の者と性的関係を結ぶことであるが、これに限らず、婚姻共同生活の平和の維持という権利または法的保護に値する利益を侵害する蓋然性のある行為と解するのが相当であり、必ずしも性行為(陰茎の挿入行為)の存在が不可欠であるとは解されず、夫婦共同生活を破壊しうるような性行為類似行為が存在すれば、これに該当するものと解するのが相当である。
同性同士の間で性行為あるいはその類似行為が行われた結果として、既存の夫婦共同生活が離婚の危機にさらされたり、離婚に至らないまでも形骸化するなど、婚姻共同生活の平穏が害される自体もまた想定されるところである。
本件各行為は原告と妻との婚姻共同生活の平穏を害しかねない性行為類似行為であるいとえ不貞行為に該当する。」裁判所は慰謝料10万円、弁護士費用相当額を1万円だけ認めました。
東京高裁令和3年4月21決定 判例時報2515号
妻が婚姻費用を請求した2カ月前に夫は勤務先を退職していました。
東京高裁は「婚姻費用を分担すべき義務者の収入は、現に得ている実収入によるのが原則であるところ、失職した義務者の収入について潜在的稼働能力に基づき収入の認定をすることが許されるのは、就労が制限される客観的、合理的事情がないのに主観的な事情によって本来の稼働能力を発揮しておらず、そのことが婚姻費用の分担における権利者との関係で公平に反すると評価される特段の事情がある場合でなければならないものと解される。」
夫は自殺企図による精神錯乱のため警察官の保護を受けそれをきっかけとして職場を自主退職し、主治医の意見書において夫の就労は現状では困難であるとされ、夫は前記の自主退職後、就職活動をして雇用保険の給付を受けたことはなく、現状においても就労しておらず、精神障害者保健福祉手帳の交付申請をしている。
夫が自主退職した職場で勤める前には複数の勤務先で勤務した経験を有していたこと、夫が自主退職してから現在まで1年が経過していないことを考慮しても、夫において、就労が制限される客観的、合理的事情がないのに主観的な事情によって本来の稼働能力を発揮しておらず、そのことが婚姻費用の分担における妻との関係で公平に反すると評価される特段の事情があるとは認められない。
したがって、妻は少なくとも夫の現在の状態の下では夫に対し、婚姻費用の分担金の支払いを求めることはできないから、妻の本件申し立ては却下を免れない。
(解説)失業していても婚姻費用請求が認められることはあるけれどもこの事案では認められなかったということです。
大阪高裁平成28年3月17日、東京高裁昭和58年12月16日など
この問題については、別居に至った原因がもっぱら又は主として婚姻費用を請求する者のみにある場合には、請求する者の婚姻費用の請求は信義則に反する(または権利の濫用)として許されない、というのが裁判の通例です。浮気して別居の原因を自分で作っておきながら生活費まで要求するのは信義則に反するので浮気した配偶者の生活費請求は認めない、しかし子どもには責任がないから養育費の分は認められるということです。
そうすると問題は浮気の証拠を持っているかどうかということになります。浮気が疑わしくても証拠がないと家庭裁判所は「信義則違反」や「権利濫用」と認めてくれません。
大阪高裁令和4年2月24日決定 判例時報2561・2562合併号
婚姻費用や養育費については家庭裁判所が作った算定表があり、ほぼ全てのケースでこの算定表が利用されています。しかし、この算定表は年収が2000万円くらいまでが上限ですからその年収を超えた場合は算定表がありません。その場合にどうするか?という問題があります。これには家庭裁判所で統一された方式がありません。ケースによって扱いが違い、次のパターンに分かれます。どの方法を使うかということは確定的には決まっていません。
婚姻費用の算定表(算定表の計算方式)を利用する方法
算定表の上限をそのまま利用する方法
基礎収入割合を修正する方法
公租公課等の他に貯蓄率も控除して基礎収入割合を修正する方法
同居中・別居後の生活状況等から算出する方法
大阪高裁令和3年8月2日決定 判例時報2518号
間接強制とは約束を守らなかったらお金を払うという罰則のことです。
別居親である父親が、調停で合意したとおりの面会の不履行があったときは金銭を払えという申立をしました
面会に関する調停の内容は父と子どもらとの面会交流を、毎月1回、第3土曜日の午前10時から午後6時まで実施するというものでした。
一審にあたる家裁は子どもの一人、一回の不履行につき4万円という間接強制を認めましたが、高裁はそれをひっくり返して認めませんでした、高裁は間接強制を求める父親の申立を権利の濫用として却下しました。
「当事者の了解に基づき直接的面会交流の代替としてビデオ通話の方法により相手方と長男の交流が実施されており、本件申立がされるまでの間において、本件条項に基づく父親と子どもらとの面会交流が実施されなかったのは令和3年4月の実施予定分のみであった。本件において認められるこれらの事情を総合考慮すると、上記のとおり本件条項に基づく令和3年4月実施予定分の面会交流が実施されなかったことのみをもって、母親に本件条項が定める子どもらを父親と面会させる義務の不履行があったと評価することは極めて酷であるから、こうした状況において、母親に対して本件条項が定める義務の間接強制を求めることは、過酷執行に当たり、権利の濫用として許されないというべきである。」
平成27年6月12日東京高裁決定 判例時報2266号
東京高裁は、面会交流は子の福祉の観点から決せられるべきであり、子の福祉に反すると認められる特段の事情のある場合には認められるべきではないという一般論に続いて、直接の面会交流は認めず、別居中の父親は二カ月に一回、子供に手紙を出す、子供と同居中の母親は四カ月に一回、子供の写真を父親に渡すという間接交流だけを認める決定を出しました。
この夫婦間では、妻から離婚調停・裁判、妻から婚姻費用分担調停・審判、夫から監護者を父親に定めることを求める審判・審判前の保全処分、妻から保護命令申立、など多数の事件で4年間、鋭く対立していました。家裁では子との面会は子供のためにできるだけ進めるべきというのが基本的な態度ですが、場合によっては消極的な判断をすることもあるのです。
令和3年3月10日 札幌高裁 判例時報2511号
男性Aは元複数の会社の経営者。女性Bは14年くらい前に知り合った女性。Aは59歳のころに脳梗塞にかかり身体麻痺の後遺症が残った。
12月24日、AとBは施設のAの部屋で婚姻届けを作成した。婚姻届けのAの署名、住所、本籍、父母の氏名などのAが記載すべき部分を全てBが代筆した。婚姻届けは1月22日にBにより区役所に提出された
1月23日、Aは人工透析のためのシャント手術を受けるため入院した。
2月4日、Aに意識障害が見られ脳幹萎縮著明、第3・4脳室拡大、前頭・側頭部の萎縮は軽度であった。
2月7日、脳全体の萎縮が著しく通常の生活が可能なレベルではないと医師から説明を受け同月9日にICUに入った。その後、徐々に回復した。
2月16日の長谷川式スケールは9点。この婚姻届けの有効性が争点となった。
高裁は次の事実を重視して婚姻届は婚姻意思を欠くので無効であるとしました。
・婚姻届はAの署名欄も含めて全てBが書いている。
・婚姻届の証人欄も、その承諾を得ることなくBが書いている。
・Aは婚姻届提出の当時、入院生活が前提とされ、婚姻生活を送り得る健康状態ではなかった。
・BはAの死後まで、Aの年金受給口座からAの年金を振込当日にほぼ全額引き出した。
・BはAが危篤状態でICUに入った翌日に車椅子を使用するAが車椅子のままでは乗車できない仕様の新車を570万円で注文した。
(解説)事例を見ると実際には高齢で独身の認知症患者との婚姻を利用して相続財産を得るという相続争い事件の一つのようです。
法律相談の予約はメールか事務所に電話して下さい。相談を希望される方のご都合と弁護士の予定を合わせて調整をします。時間をきにしないですむメールが便利です。電話でお気軽にお問い合わせください。平日の午前10時から夕方5時までが電話の受付時間です。昼休みや休日、夜間は留守番電話に録音してください。こちらから電話いたします。

弁護士 安田英二郎
弁護士になって30年,市民,県民の多くの事件を扱ってきました。弁護士というのは経験が蓄積されるほど仕事の役にたつ仕事です。お気軽に相談してください。初回相談料は,相談時間に関係なく5,000円(税込み)の定額です。初回相談に限り30分でも、一時間でも二時間でも同額です。じっくり話を聞くと一時間半位になることが多いです。
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